
社員旅行で自己開示ワークをする目的や効果を解説|チームビルディングに効く実践アイデア

最近、社員同士が本音で話せていない感じがある・・・
リモートワークで雑談が減り、チームの素の顔が見えにくくなっているなど、多くの企業がコミュニケーションの活性化に課題を感じています。
その対策として懇親会を開いても、結局いつものメンバーで固まり、業務の延長線上の話題ばかり…と、その効果に疑問を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
本質的な信頼関係を築くには、業務や役職から離れた場所での「自己開示」が不可欠です。
この記事では、チームビルディングの鍵となる「自己開示ワーク」の意味と、なぜその実践の場として「社員旅行」が最適なのかを、懇親会との比較を交えながら具体的に解説します。
目次
自己開示ワークとは?
自己開示ワークとは、自分の考え、感情、過去の経験、価値観などを、他者にありのままに伝える(開示する)ための取り組みを指します。
その目的は、「心理的安全性」を確保することにあります。
心理的安全性とは、「このチームの中なら、自分の意見や本音を言っても大丈夫だ」とメンバーが安心できる状態のことです。Google社が「成果を出すチームの最も重要な特徴」として発表したことで、ビジネスの世界でも広く知られるようになりました。
お互いが自己開示を通じて「人となり」を理解し合うことで、「この人も自分と同じように悩むんだ」「意外な共通点がある」といった共感が生まれます。この相互理解こそが心理的安全性の土台となり、建設的な議論やイノベーションを生む強いチームの基盤となるのです。
懇親会だけでは不十分なのか?
コミュニケーション施策として、手軽な「懇親会」や「飲み会」を選ぶ企業は多いでしょう。しかし、本質的な自己開示や信頼関係の構築という点において、懇親会にはいくつかの限界があります。
- 業務の延長線上に感じられる オフィス近くの居酒屋など、「日常」に近い場所では、どうしても上司や部下といった「役職」のフィルターが外れません。
- 話す相手が固定化しやすい 席の移動が難しく、結局いつも話している相手や、同じ部署のメンバーとしか話せずに終わってしまいます。
- アルコールが苦手な社員への配慮 お酒が飲めない人や、そもそも宴会の場が苦手な人にとっては、参加自体がストレスになる可能性があります。
- 深い話に至る前に終わってしまう 2〜3時間という限られた時間では、表面的な会話や雑談に終始しやすく、深い自己開示に至る前にタイムアップとなってしまいます。
懇親会は「親睦を深める」きっかけにはなりますが、それだけで「信頼関係を再構築する」ほどの深い自己開示を促すのは難しいのが現実です。
社員旅行が「自己開示ワーク」に適している3つの理由
では、どうすれば効果的な自己開示を促せるのでしょうか。私たちは、「社員旅行」が自己開示に適していると考えています。懇親会にはない、社員旅行ならではの3つの力が、メンバーの心の壁を取り払います。
理由1:環境の力(非日常性)
オフィスやいつもの居酒屋から物理的に離れ、リゾート地や自然の中といった非日常の空間に身を置くこと。これが最も強力な効果を発揮します。 人は、環境が変わると「普段の役割(〇〇部長、〇〇さん)」から解放され、素の「個人」に戻りやすくなります。このリセットこそが、本音の自己開示を生む第一歩です。
理由2:時間の力(宿泊)
2〜3時間で終わる懇親会と違い、宿泊を伴う社員旅行は「時間の共有」が圧倒的に長くなります。 移動中のバスの中、夕食後のリラックスした時間、翌朝の散歩など、フォーマルなワーク以外の「余白の時間」にこそ、本音の会話が生まれます。
理由3:体験の力(共同作業)
対話するだけでなく、一緒に何かを体験することは、自己開示を自然に促します。 例えば、BBQで一緒に火をおこしたり、チームでアクティビティに挑戦したりする共同作業です。言葉を交わす以上に、その人の「素の姿」が自然と開示されます。「〇〇さん、意外と火おこしが上手いんだ」「△△部長、すごく楽しそう」といった発見が、一気に心の距離を縮めます。
社員旅行で自己開示ワークをする4つのメリット
自己開示ワークを組織的に取り入れることは、企業の競争力を高めるための重要な「投資」です。具体的には、以下の4つのメリットが期待できます。
1. 心理的安全性の劇的な向上
お互いの「人となり」(価値観、経験、弱み)を知ることで、「この人になら本音を言っても大丈夫だ」という安心感が生まれます。 この安心感は、話しやすい雰囲気に留まりません。業務において「失敗を恐れずに新しい挑戦ができる」「建設的な意見の衝突(健全な議論)ができる」といった、強い組織に不可欠な土壌を育みます。
2. 部門や役職を超える「真の信頼関係」の構築
業務上の関係だけでは、相手を「〇〇部の部長」「〇〇担当のAさん」という「役割(ロール)」でしか見ることができません。 自己開示ワークを通じて、その人の役割の裏にある個人的な経験や価値観に触れることで、個人としての信頼関係が芽生えます。
これにより、部署間の壁(サイロ化)を超えた連携が生まれたり、上司と部下というタテの関係だけでなく、ナナメの関係でのメンタリングが自然発生したりします。
3. エンゲージメント向上と離職率の低下
人は、自分のことを理解してもらえている、受け入れられていると感じられる場所に「貢献したい」と思うものです。 自己開示を通じて「自分の居場所がある」という感覚(=帰属意識)が高まることは、社員エンゲージメント(会社への愛着や貢献意欲)の向上に直結します。
新入社員や中途入社者が早期にチームに溶け込むためにも有効であり、結果として「この会社で働き続けたい」という動機付けが強まり、離職率の低下に繋がります。
4. チームビルディングの強化と生産性の向上
心理的安全性が確保され、信頼関係が構築されたチームは、コミュニケーションの「質」と「速度」が向上します。
「こんなことを相談したら迷惑かも…」といった不要な遠慮がなくなり、問題が小さいうちに共有・解決されるようになります。 また、お互いの強みや弱みを理解しているため、「この作業はAさんに任せよう」「Bさんが苦手な部分はCさんがサポートしよう」といった、リソース配分やスムーズな連携(=チームビルディング)が自律的に行われるようになり、プロジェクト全体の生産性が向上します。
社員旅行で使える!自己開示ワーク具体例
社員旅行のシチュエーションで効果的な、自己開示ワークの具体例をご紹介します。
1. ニックネーム自己紹介
- ルール:普段呼ばれない「ニックネーム」を全員に考えてもらい、自己紹介で使用
- 効果:役職や立場を超えたフラットな関係を作りやすい
2. 「実は〇〇なんです」ゲーム
- ルール:一人ずつ「実は…」から始まる意外な一面を発表
例:「実は大学時代はダンスサークルに所属していました」 - 効果:普段の業務では見えない個性を知るきっかけに
3. 人生グラフワーク
- ルール:人生の浮き沈みを簡単な折れ線グラフに描き、印象的な出来事を共有
- 効果:価値観や背景を理解でき、深い信頼関係が生まれる
4. 3分間インタビュー
- ルール:2人1組になり、交互に3分間インタビューを実施(質問例を用意)
例:「子どもの頃の夢は?」「最近一番うれしかったことは?」 - 効果:短時間で相手を知り、交流のきっかけになる
5. 「恥ずかしい話・失敗談」シェア
- ルール:1人1つ、自分の失敗エピソードを披露
- 効果:笑いを交えつつ、上下関係を超えた共感が生まれる
6. グループ旗作り
- ルール:チームごとに模造紙やマーカーで「自分たちの旗」を作成
- 効果:メンバーの価値観や強みを自然に引き出せる
7. 「未来の自分・会社」ワーク
- ルール:3年後の自分、10年後の会社について一言シェア
- 効果:将来への思いを共有し、共通の目標意識を持つ
自己開示ワークを成功させるポイント
自己開示ワークは、やり方を間違えると逆効果になりかねません。参加者が冷めてしまうことを防ぐために、以下の3点を守る必要があります。
ポイント1:強制しない(心理的安全性の担保)
「話したくないことは話さなくてもいい」というルールを明確にし、「話さない自由」「見学する自由」を保障するのが大切です。自己開示は「させる」ものではなく、安心して「できる」場を作った結果、自然と「したくなる」ものなのです。
ポイント2:上司が率先する(弱さの開示)
部下に自己開示を求める前に、まず幹事や上司、経営層が率先して自己開示することが不可欠です。それも「成功体験」ではなく、「失敗談」や「弱さ」を開示することが非常に効果的です。「部長もこんなことで悩むんだ」という共感が、部下の自己開示へのハードルを一気に下げます。
ポイント3:プロの力を借りる(ファシリテーション)
社内の人間だけで運営すると、どうしても上司に遠慮したり、人見知りな人が会話の輪に入れず取り残されたりしがちです。
そこで有効なのが、「専門のファシリテーター」の力を借りることです。
利害関係のない第三者であるプロが介入することで、
- 内気な人や若手社員にも均等に光を当て、発言を促せる
- 上司が(無意識に)部下の発言を遮るのを防ぎ、フラットな場を設計できる
- アクティビティやワークの意図を明確にし、「お遊び」で終わらせない
といった、社内幹事だけでは難しい「場のデザイン」が可能になります。
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まとめ:社員旅行での自己開示ワークで最高のチーム作り
リモートワークが普及し、業務の効率化が進む一方で、私たちは「雑談」や「飲み会」といった非効率な時間の中で育まれていた「信頼関係」を失いつつあるのかもしれません。
- 自己開示ワークは、チームの心理的安全性を高める鍵となる。
- 「非日常の環境」「十分な時間」「共同体験」が揃う社員旅行が、自己開示ワークに適している。
- 「参加を強制しない」と、「プロのファシリテーション」が成功する秘訣となる。
「自己開示ワークやチームビルディングを組み込んだ社員旅行の企画に悩んでいる」 「どうせ費用をかけるなら、飲み会より価値のある『投資』にしたい」
もしそうお考えなら、「体験型社員旅行プラン」はいかがでしょうか。
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